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お役立ちコラム

2021.01.25アスベスト解体工事の費用や注意点

アスベストは住宅などの建築物に使用されているものです。
その健康被害について、ニュースで名前を聞いたことがあるという方はたくさんいるでしょう。
しかし、それがどんなものなのかをきちんと説明できる方は少ないのが現実です。
ここでは、アスベストはどんなものなのか、アスベストが含まれた建物を解体するときの注意点や工事費用などについて、詳しく解説します。
2006年以前に建設された建物の解体をご検討されている方には、特に参考になる内容となっていますよ。

アスベストって何?

アスベストは別名「石綿」とも呼ばれており、天然に産出された繊維状ケイ酸塩鉱物の総称です。
耐熱性、耐久性、熱絶縁性、電気絶縁性、耐摩擦性に優れ、曲げや引張りにも強く、価格も安いことから、日本の高度成長期にかけて、建築物以外にも自動車の部品や家電、家庭用品などにも幅広く使用され重宝されていました。

建築物へのアスベストの使用は2006年に完全に禁止されましたが、かつてはそれがもつ様々な優れた性能から「奇跡の鉱物」とまで呼ばれ、一般住宅、集合住宅、ビルなどの建築資材に多用されていました。
鉄骨造の集合住宅やビルなどでは駐車場や機械室の天井や、鉄階段の裏側などに吹き付けられているケースが多かったようです。

アスベストの危険性

建築物を構成する建築資材に含有していたアスベストは、1955年くらいから外壁材、屋根材、断熱材、内装材などに使用されていました。
しかし1970年代に入ると、アスベストがいろいろな病気の原因になることが分かってきました。

アスベストの石綿繊維はとても細かく目視することは難しいため、飛散しても気づかないという恐ろしい性質をもっています。
アスベストを吸い込むと、体内で吸収されずに肺に刺さった状態で残ってしまいます。
アスベストを吸い込んでもすぐに健康被害が現れないため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

アスベストによる症状は咳だけにおさまらずに、最悪中皮腫や肺がんなどの甚大な健康被害を及ぼすこともあります。
アスベストによる健康被害は、15~40年の潜伏期間があるとされていることから、そのピークは2040年になるとも言われています。

アスベスト解体工事の注意点

アスベストは飛散をさせなければ健康被害の心配は不要と言われています。
そのため建物が新しいうちはさほど問題はありません。
しかし建物の老朽化や破損・倒壊などにより、大量に飛散が起きてしまいます。
つまり倒壊を伴う解体工事では、築年数に関わらずアスベストが使用されている建物だと確実にアスベストを飛散させてしまいます。

解体工事によって飛散させてしまうアスベストの量は、建物の築年数によっても異なりますが、依頼する解体工事業者をどこにするかでも飛散量は大きく変わってきます。
そのため、工事を依頼する側からすれば、ずさんな工事をしない信頼できる業者を選ばなくてはいけません。

アスベスト除去の専門業者に依頼しよう

解体工事を請け負うための許可は必要ですが、アスベスト処理工事を行うための明確な資格制度はありません。
ただし「石綿作業主任者の選任」「労働者全員に石綿特別教育を実施 」「特別管理産業廃棄物管理責任者の設置」を行うことは必要となります。
アスベストに関する知識を持ち、法律を遵守し作業を行う業者でなければいけないのです。
そのため、工事実績が豊富なアスベスト除去の専門業者を選択することをおすすめします。

事前調査と届出が必要

アスベスト解体工事を開始する前には、建築物の分析調査を行い、その結果を発注者に書面で報告し、工事場所にも提示する必要があります。
また、法令に則り届出が必要になる場合もあります。
アスベストを処理する際には、処理方法などによって粉塵レベルが異なるため、レベル3に分けられています。
粉塵性が非常に高いレベル1と粉塵性が高いレベル2の場合は、各届出が必要になります。

また、アスベスト解体工事を行う場合は、近隣へ有害物質を飛散させないために毎日の清掃も含めた十分な配慮を行わなければいけません。
他にも、近隣への周知のために工事概要を記載した看板の設置なども必要です。

アスベスト解体工事の費用

アスベストを含有した建物の解体に必要な費用は、依頼する業者や建物の大きさによっても大きく変わります。
下記は国土交通省が公表している調査結果を表にまとめたものですが、あくまでも目安であり、前記したアスベストの粉塵性のレベルや建物の種類やアスベストが含まれる場所によっても費用は異なります。

アスベスト処理面積

価格相場

300㎡以下

2.0万円/㎡ ~ 8.0万円/㎡

300㎡~1000㎡

1.5万円/㎡ ~ 5.5万円/㎡

1000㎡以下

1.0万円/㎡ ~ 2.5万円/㎡

参照 http://www.zenmoku.jp/moku_kankei/asbesthiyo.html

まとめ

かつては「奇跡の鉱物」と呼ばれて、その優れや性能や価格の安さから建築建材にも多用され重宝されていたアスベスト。
しかし甚大な健康被害をもたらすことが判明したことから、今では使用が禁止されています。
アスベストが含まれた建物を解体するためには、様々な専門知識が必要であり、危険な作業であるがゆえに解体業者には技術も不可欠です。
解体工事を依頼する場合は、業者選びを慎重に行わなければいけません。

アスベスト解体工事には相場がありますが、相場よりも安い業者を選択すると様々なリスクが起きる可能性が高くなります。
依頼した側にも損賠賠償が及んでしまうこともありますので、気を付けましょう。
それを防ぐためには、実績豊富なアスベスト除去の専門業者に任せることをおすすめします。

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