長い歴史と住む人の思い出が詰まった古民家ですが、様々な事情で解体せざるを得ない場合もあります。特に最近は空き家の増加が全国的に大きな問題となっているので、尚更そういったケースが増えていると思います。
もし古民家を解体することになった場合、かかる費用や解体で生じた古材の取り扱いも気になるところではないでしょうか?そこで、本記事ではそのあたりのことも含めて古民家の解体について分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてくださいね!
そもそも「古民家」とは何でしょうか?
一般的には築50年以上経過した家屋を「古民家」と呼ぶとされますが、実は明確な定義はありません。たとえ築100年の家屋でも「古民家」のイメージに合致しないような家もあります。はっきりとした定義はないものの、「日本の伝統的な建築技法で作られた家」を「古民家」と呼ぶと考えるのが妥当です。
つまり、柱や梁を釘などを使わずに組み立てるような伝統的工法で作られた家屋であれば、築50年未満の家であっても「古民家」と呼んでも差し支えない存在と言えます。
古民家を解体する場合、主に2つのケースがあります。1つずつ見ていきましょう。
1つ目は古民家自体を完全に解体してしまう場合です。古民家を解体する際に、古材を売ることも可能です。
目利きの職人であれば古材の中から良材を見抜くことができるので、買い取ってくれる場合もあります。
古民家に使われていた良質な古材は、新たな家屋を建てる際に再利用されます。
長い歴史や思い出が詰まった古民家が解体されるのは寂しいものですが、古民家自体は解体しても、そこに使われていた古材が新たな家屋の一部として活かされると思えば、気持ちが少しは癒されるのではないでしょうか。
2つ目は古民家の移築・再生です。古民家を一旦解体し、別の場所に移して仮組みと補修を行なった後に移築します。
移築・再生を行なってくれる業者もあるので、移築・再生という形で古民家の解体をお考えの方はそういった業者に依頼するのがおすすめです。移築・再生は古民家に新たな命を吹き込む選択肢と言えますね。
「古民家の解体費用はどのくらいかかるのだろうか?」という疑問をお持ちの方もいると思います。ここでは古民家を解体する際の費用の相場についてご紹介します。
古民家の解体費用の相場は、木造建築の場合は1坪あたり3万円~5万円ほどとされます。
以下に、坪数とおおよその費用相場をご紹介します。
一般住宅の解体の場合は1坪あたり2万円~3万5千円程度なので、古民家解体の費用は割高に感じられるかもしれません。
とはいえ、あくまで目安なので業者が提出する見積もりをしっかり確認することが大切です。
古民家を解体する場合、補助金制度を利用できる場合があります。補助金制度を利用することで、古民家の解体に要する費用を少しでも抑えることができます。
具体例としては、東京都北区の補助金制度が挙げられます。
東京都北区では古家や古民家を解体する場合、一部区域だと最大160万円、北区全域だと最大80万円の補助金を受けられます。
ただし、補助金を受けるためには諸々の条件を満たす必要があります。
他にも古民家解体で補助金制度を設けている自治体もありますので、古民家解体を検討中の方はお住いの自治体で補助金制度がないかを調べることをおすすめします。
古民家の解体で生じた古材を買い取ってもらえる場合があります。古民家には良材と言うべき良質な古材が使われている場合が少なくありません。そういった良材はとても貴重なものなので、買い取ってもらえるのです。買い取り業者に売ることもできますし、解体業者に古材を買い取ってもらえる場合もあります。
解体業者に買い取ってもらう場合は、買い取り代金の分が解体費用から差し引かれるので費用が浮くことになります。
古民家の解体費用は高額なので、「古材の買い取り」という方法で費用を少しでも抑えることが可能ということを知っておいてくださいね。
以上、古民家の解体費用の相場・古材の買い取り・古民家解体の補助金制度などについて解説しました。いかがだったでしょうか?
古民家解体に関して一通りのことはご理解いただけたかと思います。古民家の解体には多くの費用がかかるので、あらかじめ費用の相場を把握したり、少しでも費用を抑える方法を知っておいたりすると、実際に解体業者に依頼する場合に役に立つでしょう。
古民家の解体を検討中の方は、ぜひ賢い方法を選択してくださいね!